皆さん、お元気ですか。上野動物園のパンダが中国へ返還されるとの事で大騒ぎですね。私がパンダを初めて見たのは、今から20年近く前の事になります。場所は中国四川省の都である成都市の「パンダ研究所」でした。何でも「麻婆豆腐」の発生の土地とか言ってました。その後に発生した地震により、この施設は壊滅的な打撃を受け、改良された施設として蘇っておりますが、当時は、金を払えば抱っこも出来るおおらかな施設でした。
高市首相の不用意な発言のあおりを受けて、パンダは日本から居なくなりましたが、まあ、彼女の勉強不足のあおりを受けて子供たちやパンダ愛好者の夢が奪われてしまいましたね。などと高市発言への怒りを切り口に今回も毛利のアドレス帳に載っている方々へBCCにて配信しております。メーリングリスト該当者は外したつもりでしたが、混入しておりましたらご容赦ください。
昨年の年末の日本経済新聞に、北海道東川町の一面広告が出ていましたね。エゾフクロウの写真をセンターに据えた緑一色の一面広告でした。他の新聞には出ておりませんでしたので、日経だけに一面広告を出したのでしょう。あれって、結構高いんですよね。そこまでして何を訴えたかったのかと言えば「ふるさと納税」の広告でした。キャッチコピーは「どうして、この町は、ニンゲンがニンゲンらしいんだろう」でした。
東川町と言うのは旭川市の南で大雪山の麓にある小さな町だそうです。私も初めて目にし耳にする町です。調べてみると、人口が8704人でその内51%が移住者だとの事です。写真を通じた文化交流を40年以上続けており、写真の町として知られているとの事でした。蛇口をひねれば天然の地下水が湧き、高級家具として知られている旭川家具の一大生産地との町自慢もありました。ここまで読めば自然豊かなこの地へ移住しませんかとの誘いにも見えてくるのですが、最後まで読むと狙いはふるさと納税の勧誘でした。
ふるさと納税と言えば都会などに住み、地方にふるさとを持つ人々にとって、ふるさとの支援にもなり減税にもなり、返礼品として地元の名産品をゲットすることも出来ると心を動かされます。調べてみると己の出身地だけではなく、地域で選ぶ、返礼品で選ぶなど様々な選択肢が有るのですね。私は、ふるさと納税と言われれば郷里の山形しか思い浮かべなかったのですが、世の中には抜け目のない人がいるもんだと感心してしまいます。
TVのコマーシャルでこの事が取り上げられており、各自治体がスポンサーになっているのかと思いきや、これを事業として展開している企業もあるとの事で驚いております。「さとふる」とか「ふるなび」とか「楽天」などの名がありましたが。どの様にして利益を得ているのでしょうかね。気になりますが、私はやったことが有りません。
また、年が変わった1月23日の日経に東京都教育委員会の一面広告が出ておりました。しかも、内容が【問題】「AIに出来ない仕事とは何か」と問うて「その答えは、都立工科高校の中にある」と言うものでした。更には、現存する工業高校(現在は工科高校と称する)17校の名称が載っておりました。驚きましたし、嬉しかったですね。東京都の教育委員会が工業高校の為にこれほどまでの広告を打つとは考えてもみませんでした。
しかも「建設や交通の仕事は、社会のインフラの整備・安全・暮らしを支える根幹。AIでは代替できないプロフェショナルな仕事です。東京を一緒につくっていくその仕事を、都立工科高校で踏み出しませんか」とのコメントも載っておりました。工業教育と工業高校の発展に生涯を捧げて来た身にとっては「ようやく認められた」との感よりも、「ようやく世間が工業高校の存在価値を理解してくれた」との感の方が強かったですね。
都立の工業高校が工科高校と名称を変えて3年目に入ります。工業とは原材料を加工して製品を造る、いわゆる生業の「業」の学習だった訳ですが、より広範な科学技術を学ぶとの理念の下「工科」との名称に変わりました。現在のITやAIなどの進歩を視野に入れた場合、広範な知識を持って製品作りに当たらざるを得ないとの事で名称を工科高校と変えたのです。名称変更によりカリキュラムも変え、新しいタイプの高校としてスタートしておりました。
先の大戦で灰塵と化した国土を蘇らせ、世界に冠たる経済立国に仕立て上げた方々の中には、国公立及び私立の工業高校の卒業生が数多く存在すると確信しております。東京の実業団の方の中には「日比谷に行くか工業に行くか」で迷ったと言われる先輩は数多くおりました。これ程隆盛を極めた工業高校が評価を落とし、低迷期を迎える切っ掛けになったのは「大学進学者の増加」と言う社会現象でした。
カリキュラムの約4割を工業科目に注がれる当時の状況では「大学進学に不利になる」と言う現実でした。100%普通科目を学べる「普通科」と60%しか学べない「工業科」では、物理的に学ぶ時間数に限りがあり受験には不利があると言うものでした。しかも、工業科目は全て新しい内容であったため、それに割く時間が大きかった事も理由と考えられました。
今でも、工業(科)高校から東大に進学する生徒がいない訳では有りません。但し、一般入試ではなく「推薦入試」による合格者であると言う現実がカリキュラムの影響を物語っているのです。東大や京大など旧帝大にも推薦入学制度は適用され、過酷な受験制度を経なくても推薦入試で合格する事は可能なのです。但し、その基準は一筋縄ではいかない難しいものと言う現実は残っております。何れにしても、卒業生がその専門知識を拠り所として、社会で活躍できるのは我々の願いでもあります。この広告だけではなく工業(科)高校の卒業生が羽搏いてくれることを願っております。
令和8年1月28日 毛利