皆さん、お元気ですか。このところ、ネパールや南米の秘境の話が続きましたね。その中で「そろそろ引退するか」と言うような記事を載せると「未だ、大丈夫だ、頑張れ」などの励ましを受けます。有難い事で直ぐにその気になってしまうのが昔からの悪い癖です。多分、また性懲りもなく何処かに出かけるでしょう。その時は「あいつも馬鹿だね」と嘲笑ってください。などと自分の悪癖を切り口に今回も毛利のアドレス帳に載っている方々へBCCにて配信しております。メーリングリスト該当者は外したつもりでしたが、混入しておりましたらご容赦ください。
ものづくり人材育成を強化するため、文科省は工業高校などの専門高校や高等専門学校(高専)などに重点的に資金を配分する方針との事である。1校あたり20億円程度と言うから驚きである。この資金で先端機器を導入したり新規購入に充てることにより、専門高校の魅力向上に資するらしい。まあ、その試みに反対はしませんが、何度同じ過ちを繰り返すのかと腹が立ってきました。
過去にも本紙で報告しておりますが、戦後まもなく坂田道太氏など若手の議員たちが「産業教育振興法」の設立を唱えて活動したのが最初でした。国はこれには金が絡むと言って反対し、文部省(当時)は金は渡している筈だとこれまた反対、組合からは「軍国主義の復活だ」などと反対を受ける中、彼らは時の政調会長だった池田隼人の下に夜討ち朝がげで陳情を行い、法律の制定に至ったのであります。時は昭和26年で敗戦の6年後でした。飯田橋の社団法人全国工業高等学校長協会本部には全国から校長たちが手弁当で泊まり込み、一緒に陳情を重ねたのでありました。その成果として法案は成立し翌年からの施行へと流れが出来上がったのであります。
本法のお陰で農業、工業、造船など産業教育に関わった学校には、それなりの資金が補助され、産業技術の振興に寄与して来たのであります。その成果として我が国を「科学技術創造立国」として発展させ、日本は世界に冠たる工業技術立国となり、世界から羨望の目で見られるようになったのであります。
ところが、小泉政権が唱え始めた「聖域なき構造改革」の一環で、この資金は地方交付税に組み込まれ、産業教育に向けられる資金は激減し、産業教育の冬の時代が長く続くことになったのであります。文科省をはじめとし各地の教育委員会は、大学進学を目玉と捉え、カリキュラムまで大学進学用に変えて行ったのであります。
一方、工業高校の卒業生に対する産業界からの求人要望は高く、生徒一人当たりにすれば200社は優に越す求人が寄せられ、若年者の働き手が不足する現象が続くようになったのであります。この間、世の中の意識も大学志向に変化するとともに子供の数の減少も加速し、大規模な会社に入って日本全国をあるいは世界を相手に飛び回る人材になろうとの意識から、両親の住む地元への就職を望む生徒が出る様になってきたのであります。併せて、社会のデジタル化やIT化も急速に進歩し、学校で学ぶ項目も肥大化していったのであります。
こうなると旧態依然とした施設設備では教育が賄いきれず、新規と言うより最先端機器を導入して「即戦力の技術者」の養成が望まれるようになってきました。こうなると、鈍感な文科省や教育委員会も手を打たざるを得なくなり、今回の措置に繋がったと考えます。戦後まもなく作られた振興案を己の政治信条と交換する形で廃止し、また社会の変化に則って施策を変えて行っているではありませんか。まあ、これが政治なのかもしれませんが現場は堪ったものではありません。現状に合わせるだけでなく長い目で施策を論議できる政治家が必要ですね。
政治家と言えば現在の高市総理は国民に支持されていると見え、世論調査などでは高い支持率を示しております。何でも実行力があるとの事ですが、何の実行力でしょうかね。ガソリン税の暫定課金の廃止と言っておりますが、あれは既に決まっていた事で高市の成果でも何でもないのです。米価だって基本的には減反政策ではありませんか。米を減反するため耕作地を荒野に戻せば、㎡当たり幾ばくかの補助金を出すと言って札束で百姓のほほを引っ叩き、減反を勧めて来た先輩議員への追随としか考えられません。
更に、台湾問題に対する国会答弁ですよ。質問した野党議員に誘導されたとの論法に誘導している模様ですが、発言したのは高市であり、勉強不足が露呈したと言っても過言ではありません。これまでの首相(あの麻生ですら)は国際的に微妙な発言は控えていたのです。トランプに叱られて落ち込んでいる模様ですが、基本的な事はもっと勉強してもらいたいですね。
これに対する中国の反応も気違いじみてますよ。公使ともあろう立場の者が一国の首相の首を切れだと「フザケルナ」と怒鳴り返してやりたいですよ。更に外務省の局長が訪問した時の態度は何ですか、これまた「フザケルナ」と言ってやりたいですね。しかし、冷静に考えれば元凶は高市なのです。彼女が事の重大性を理解しておれば防げた事故です。あの麻生すら言わなかった中国の一丁目一番地とも言うべき事項の尊重は、国際人として守るべき一丁目一番地でしたからね。
未だ事の重大性が分からない方がおられると思いますので、もう少しかみ砕いて論を展開しましょう。誰も口には出しませんが日本の一丁目一番地は何でしょうか。唯一の被爆国でも国民主権でも何でもないのです。一丁目一番地は「天皇制」ですよ。海外の国々もそのことが分かっているから、天皇に関する誹謗中傷を出すことは無いのです。仮に、天皇制について中国の高官などが論評を加えたとすると、我が国も黙ってはおられません。その事が分かっているから、あの中国ですら発言を控えているのです。
国には互いに触れられたくない一丁目一番地があり、その事を踏まえての外交となるのです。ましてや、国政を預かる身となったからには、主義主張を越えて学ばなければならないのは一丁目一番地なのです。その事を学ばず馬鹿な主張を下した高市は前言を撤回して詫びなければなりません。それすら行わず、我々国民に発言の主旨すら説明しないのは、納得がいきません。トランプに叱られて「初めて理解しました」とは言わなくても構いませんので、説明責任は果たしてもらいたいですね。
令和7年12月12日 毛利